その手をぎゅっと掴めたら。
顔を上げた私を庇うように前に立った葉山くんは紙を掲げた。
「俺も、満点だったけど。これ、どうやって勝敗つけるの?どうしたって3対2じゃぁ、公平な勝負はできないよね」
「……」
「次からはもっと公平な賭けにしてくれないかな?友人関係のことに口出したくないけど、自分の彼女が不平等な扱いを受けてたら気になるよ」
葉山くん…。
「葉山くん、どうしてこんな奴がいいの?」
凛ちゃんは葉山くんを見上げる。
「葉山くんにはもっと似合う女の子が…」
「俺は、佐野がいいんだ」
柔らかい声色に胸が締め付けられる。
私たち2人のことなのに自分ひとりで決めてしまったことを責めずに、味方でいてくれる。
私は、やっぱり葉山くんが大好きだ。
こんなにも短期間で異性に心奪われてしまった。そんな恋はニセモノだと笑われてしまいそうだけど、ーーただただ、好きなんだ。