その手をぎゅっと掴めたら。
翌朝、朝食の時間よりも2時間早く目が覚めてしまった。
時計を確認した後、枕元の携帯を見る。
新着メール1件。
その通知に一気に目が覚めて、飛び起きる。
「痛ッ、」
しかし腰に痛みが走り、携帯が手から滑り落ちた。
痛み止めが切れてしまったようだ。
痛みよりも早くメールの内容を確認したくて、ゆっくりと体勢を整える。
「元気そうで良かった。面会時間は11時からだったよね。お見舞いに行くね」
恐る恐る内容を確認する。
たった2行だけれど、私を安心させるには十分だった。
ほっと、肩の力を抜く。
単純な私は身体の痛みを忘れて、勢いよくカーテンを開けたけれど、私の気持ちとは裏腹に窓には無数の雨粒がついていた。