その手をぎゅっと掴めたら。

思わず口に出た本音に、早紀ちゃんが私の肩を叩く。


「彼女なんだから当たり前でしょう!堂々としていれば大丈夫!」


「そうかなぁ…」


クラスメートに数学を教えている葉山くんを横目に首を傾げる。

その横顔が素敵すぎて、目を奪われる。

虹ヶ丘ランドは遊園地と植物園が隣接しているテーマパークで、恋人と観覧車に乗ると幸せになれるというよくある噂が囁かれている。

私も葉山くんと乗りたいとは思っていたけれど、他の生徒がいる前ではハードルが高すぎるよね?


「まぁ最初は4人で回って、後々2人きりになればいいんじゃない?」


雪ちゃんが助け舟を出してくれたので、大きく頷く。

でも、やっぱり凛ちゃんと5人で回りたいな…。


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