その手をぎゅっと掴めたら。

「え?なに?嘘?」


彼の後ろ姿が完全に見えなくなると、友人3人が駆け寄って来て私の肩を掴む。痛いくらいに掴まれて、体を揺すられる。


「マジ?オッケーってこと?」

「私にもそう聞こえたんだけど!」

「ありえなくない!?」


当事者の私を置いてきぼりにして好き勝手に言葉を連ねる。でも私も同じ感想しかもてなくて、黙り込む。

いつの間にか肩にかけていたお気に入りのトートバッグが地面に落ちていて、慌てて拾い砂を払う。


いったい、何が起きた?


彼の真意は分からないけれど、なぜ私が彼に告白することになったか。その経緯は4時間前に遡ります…。

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