その手をぎゅっと掴めたら。
青山さんらしい自然なフォローに心が温まる。
確かに嫌いな人とは一緒に居たくないし、付き合っているということは、嫌われてはいない?もしかしたら少しだけ"好き"の分類に入るかもしれないのかな?
後ろ向きな私には有難いフォローだ。
「わ、私は、好きになりそうです。彼、クールだけどすごい優しくて」
「へぇ。それじゃぁ普通に好きだから付き合ってるって言って問題ないんじゃない?」
「でも彼はそんな風に思ってないので…」
「そっか。それじゃぁもっと真奈ちゃんのこと知ってもらわないとね。知らないままでは相手のことは分からないからさ。彼に真奈ちゃんが好きなものや思っていること、伝えてみたらいいんじゃないかな」
そうだよね…。
知ってもらうことが大切だよね。
まずはそこから始めないと!
葉山くんのことをあれこれ詮索はできないけれど、自分のことを伝えるだけならいいのかな?
そう歳は変わらないけれど、青山さんの考え方は大人だ。私も大学生になった時には青山さんのように在れるのだろうか。……無理そう。