その手をぎゅっと掴めたら。

「真奈は髪染めないの?ずっと黒髪?」


突然の呼び捨てに胸が高鳴る。

と、友達みたい…。


「はい」

「そうなんだ。あ、今日、始業式が終わったら早く帰れるじゃん。遊びに行かない?」


「え?」


彼女の視線は携帯に向いていて本当に私が誘われているのか疑わしく、でも少しだけ期待してしまっている。


「友達とパンケーキ食べに行く約束してるからさ。真奈もどう?」

「私もいいの?」

「ダメなら誘わないでしょ」


そう言って笑ってくれた凛ちゃんは、私の高校生活の友達第一号で、とても感謝しているのだ。

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