悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
「あ、七流おはよう」
「もうチャイム鳴る」
「あ、ほんとだ。
じゃあ、向坂また」
「あっ、う、うん!」
後ろから聞こえた低い声に、ビクッと肩が上がる。
「ん?七流今日機嫌わるい?」
「べつに」
「漣くん!
おはよー!」
「漣くん!
今日もかっこいいね!」
そんな会話が聞こえたけれど、ふたりはすぐに女の子たちに囲まれてしまう。
「朝から担任に捕まるとかほんと最悪……って、海凪?座んないの?」
「す、すずちゃん……」
いつの間に来たみたいだけど、
またもやビクッとしたわたしに不思議そうな表情。
「まさか走ってくほど漣が嫌いだったとは。
ごめんね、一緒に教室行く流れになっちゃって」
「あー、うーん……だ、大丈夫だよ」
嫌いというより、昨日の言葉が恐ろしくて。
結局あの後は「送る」って聞かない漣くんを振り切って帰っちゃったし、
あんな恥ずかしいキスまでしちゃったし……。
余計に顔、合わせづらいっていうか……。