悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
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「すずちゃん。
さっきの話、なんだったの?」


「もうっ、それがさ〜!」


一限目終了後。

HRが長めだったせいで、結局すずちゃんと話せずじまいになってしまったから、聞いてみた。


「さっき担任に捕まったって言ったじゃん?」


「うん?」


「しかも今日、あたし日直じゃん?」


「そうだね……って、あ」


「そうなのよ、雑用とかほんとさいっあく!」


八雲先生は日直になった生徒に、何かしらの仕事を押しつけてくる。

現にわたしも金曜の日、まああれはたまたまかもしれないけど、プリント運ぶように言われたし。


「今日は小山が日直だったよな?放課後頼むよ、だって!ウチら生徒をなんだと思ってんのかね!」


「す、すずちゃん、声マネ上手だね」


「イケメンだからってさ、女子全員が喜ぶと思ったら大間違いだっつーの!」


「確かに……」


「しかも今日、早く帰んないといけないのに」
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