悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「海凪……好きだよ」

「っ……!」


「すき……すっげえ好き。かわいい、海凪……」


熱に浮かされたように。
唇がふれたまま、何度も囁かれる好きの数。


そんなにいわないで……っ。

これ以上、熱くさせないで……っ。


胸が苦しい。

乱れた呼吸も、漏れる声さえも奪われる。


深く、深く。

────キスに、溺れる。


「俺のことだけ考えてて」


理性の欠片だけは、残ってた。

校内だから。

やっぱりだめ。


なんとか自分に言い聞かせて離れようとしても。


「そんな溶けた顔してんのに、まだ余裕?」

「ちがっ……んっ、……やぁ」


そんなことを考えているのも漣くんにはお見通し。


「なら、もっと激しくしても平気?」


余裕なんか、さっきからずっとないのに。

うなじから鎖骨にかけてを指でなぞられる。


「っ……ぁっ、」


ビクンと体が跳ねて、体の芯が疼く。

こんなの、知らない……っ。

自分がこんな変な感じになるなんて。


「っ、さざ、なみ……くん……っ」


追いついていくのに必死で、つい目の前のシャツを握ったら。

ゆっくり解かれて、ぎゅっと指が絡まる。


「ん、いいこ。
もーちょいね」


ハチミツみたいに甘い声。

耳、とけそう……っ。
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