悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「んっ……、ぁっ…」


今度はさっきみたいに深くはないけれど。


「すき。かわいい……可愛すぎ」


あのクールな漣くんが、荒い呼吸で余裕がないというように、わたしを見ていて。


「っ……」


この顔が見れるのは自分、だけ。

その瞬間。

ドクンと音をたてた心臓が、なんとも言えないくらいきゅーっと締めつけられて。


好きだと言わんばかりに、とけそうなほど甘ったるい瞳を見ていられなくて俯いた。


「漣、くん……」

「ん……?」


なんでだろう。

唇は離れたのに、不思議と離れたくないって思ってる自分がいる。


「息、整うまでこうしてていいよ」

「うん……」


濡れた漣くんの口元がさっきまでのことを思い出させて。


はずかしい……っ。

後頭部をそっと引き寄せられて、その胸に頭を預けた。


「髪、さらさらだな」


漣くんの手、優しい……。

恋人つなぎはそのままに、腰にあったもう片方の手が髪をなでていく。


「かわいいな……」


「へっ、」


「すっげえかわいい」
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