悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
「こうやって、照れた表情とか、特にな」
「っ……」
するりとなぞられた頬が熱い。
トクトクトクと鼓動が速くなって、
体温がまた上昇していくのが分かる。
「み、見ないで……っ」
「見るよ。つーか、見せて。
海凪の照れた表情見ないとか、人生の損」
「ええ……?」
「そういう天然なとこも、好きだよ」
ポカンとするわたしに、ふっと笑いながら漣くんは囁く。
「いくら岬と小山がいい感じだからって、近づきすぎるのは禁止。わかった?」
「やっ、やっぱり江川くん、すずちゃんのことが……」
「わかった?」
「はい……」
有無を言わさないにっこりとした微笑みにうなずくしかないわたし。
「なら、よし。
そんな可愛くていいこには」
「へっ、」
「ご褒美、あげなきゃね」
!!
ふわっと唇を掠めたそれと、嬉しいと言わんばかりに細められた甘い瞳に。
「っ、ずるいよ、漣くん……」
「だからそれは、海凪のほうね」
今度こそかんぜんに力が抜けて、その場にヘナヘナと座り込んでしまった。