悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「え、江川くん!!
お、おはよう!」


聞こえた声に慌てて漣くんの手を振り払う。

「どうしたの向坂。
そんな慌てて」


「あはは、べつに……」


あっ、危なかったあぁぁぁ……。


「七流も、おはよう……ってなんでそんな不機嫌?」


「べつに」


漣くん。

わたしは聞き逃しませんでしたよ。


今、舌打ちしましたよね……?


「はー、ったく……そんな怒んなって。
あま〜いふたりの世界を邪魔したのは悪いも思ってるって」


!!?


「それに昨日も。
怖すぎて結局七流に仕事任せちゃったし」


ちょっ、ちょっ……

ちょっと待って???


「え、江川くん」


「はい。なんでしょうか、向坂さん」


「もしかして江川くん……知ってるの?」


なにを、の部分は敢えてぼやかした。


「ふたりが付き合ってることだよね?
うん。もちろん、知ってるよ」


チーン。

学校生活、終了のお知らせ。


「向坂?
大丈夫?息してる?」


「海凪?おい、海凪?」


だから漣くん。

また下の名前に戻ってるってば……!!
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