悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「そ、それに昨日の放課後のことも……」


「ああ、うん。
それね……おっと」


「えっ!?」


「向坂。
ちょっとこっち」



どうやらぞろぞろと生徒がやってきたみたいで。

慌てて江川くんに腕を引かれる……と思ったら。


「っ、漣く……っ」


「しー……。
岬。俺がつなぐからさわんな」


「はいはい。
相変わらず独占欲がお強いことで」


「わるい?」


「ぜんぜん?」


岬くんから今度は漣くんに。

手、じゃなくて今度は腰に回されて引き寄せられる。


ち、近いっ……!


「見つかっちゃうよ……!」


「大丈夫。
玄関からは離れたし、なにより今は岬もいる。
もし万が一だれかに見られても、適当にごまかせるよ」


そっ、そんなあああ!!


「騒ぐと余計に見つかるかもよ?」

「うっ、」


囁くような小さい声に、周りを警戒するわたしは反論できなくて。


「ん、いいこ。
言っただろ?足りないって」


唇の前に人差し指を置いて微笑む漣くん。

強引すぎるよ……!
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