悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「ねぇ、江川。
この問題なんだけど……」


「ん?どれ?」


肩寄せあってるふたりの目の前で。


『教室出よ。
ふたりになりたい』


手が離されたかと思ったら、机のノートに広げられていたノートの隅に小さく書かれた文字。


『いやです。
勉強します』


始めてから30分も経ってないよ……?


『俺もやだ。
ねえ、ふたりになろ?』


『ふたりになったら、絶対勉強しないに決まってます』


『分かってるんだ?
今から俺に何されるか』


「っ!!」


髪を下ろしていて正解だった。

耳まで熱いから、ぜったい真っ赤になってる。


『さっき約束したもんね、ぎゅーして、いっぱいキスするって。俺とイチャイチャしよ?』


そしてペンを置くと、また手を包まれて。

じわじわとふれられた部分から熱を帯びていくみたいな。


っ〜!!

もーっ、むり……っ!


「っ、すずちゃん、江川くん」
< 172 / 308 >

この作品をシェア

pagetop