悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


だからわざとすずちゃんの前で……!?


「手握っただけで、こんな風に耳まで真っ赤にさせて」

「あ……っ」


耳たぶに落ちてきた口づけにビクッと反応してしまう。


「はぁ、かわいい」

「んっ、や……っ」


甘ったるい声と一緒に何度も耳に落ちてくる唇に、腰が引けるけれど。


「逃げない。
な、キスしていい?」

「っ……、聞かないで……っ」


背中と後頭部に回った腕に、グッと力がこもるばかり。


「約束した手前であれだけど、海凪の口から聞きたい」


コツンとおでこが合わさって。

甘くて、熱に濡れた瞳が逃がしてくれない。


同い年なのに、どうしてこんなに色気があるの……っ。


「俺はしたい。めちゃくちゃしたい」


「っ……」


ぶつけられる熱量も、絡み合う視線も。
するりと頬をなでる優しい手からも。


漣くんから感じられる全てが愛おしいと叫んでいるみたいで、胸がきゅうっとなって。


「海凪は、したい?したくない?
……聞かせて」


少し動くだけで唇がふれそうな距離なのに。

漣くんは、じらして、じらして、じらして。


「っ……、した、い……」


「だれと?」


言葉にさせて。


「漣、くん……と」


「もう一回」


「漣くんと、キス……したい、です……っ、」


「いいこ。
うんと気持ちよくしてあげる。いっぱいキスしような」


気づいたら、漣くんでいっぱいで。

漣くんのことしか考えられなくなる。
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