悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
「いや、その後にちゃんと告白はされたんだけどね!?」
「うん……」
「まさかキスされるなんて思ってなかったらびっくりしちゃって」
「だろうね」
わたしもびっくりした。
江川くん、積極的すぎる!
「す、すずちゃんは自分の気持ち、ちゃんと言えた?」
キス……は、まあ、一旦置いといて。
「うん、言えた。
付き合うことになったよ」
「おめでとう〜!!」
顔から手を離して、照れくさそうに。
でも口をツンと、とがらせている。
本当はめちゃくちゃ嬉しいんだろうなぁ。
ずっと好きだったんだもんね。
ほんと、うまくいってよかった……。
江川くん、ちゃんと告白できたんだ。
「でも、どうして今日はやけに静かだったの?」
「普段はうるさいって言ってる?」
「もうっ、そうじゃなくて!
やけに俯いていたから」
「あー……なんか、改めて江川が自分の彼氏で同じクラスだと思ったら、はずかしくて。顔、あげらんなくて」
髪をクルクルっと指に巻き付けて話すすずちゃん。
その気持ち、めちゃくちゃ分かるなぁ……。