悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「いやがる?」


「今日、わたしたちが行ってたお店、女の子に人気なところで……」


「うん」


「漣くんが来たら、ぜったい囲まれて、いやな思いすると思ったから……」


「俺のためだったって、こと……?」


「は、い……」


瞬間。


「バカ……」


囁くような声のあと。

どこか泣きそうな顔をした漣くんは、ふわっとわたしを抱きしめた。


「っ、やば、かわいすぎ」


「え……?」


「俺がいやな思いすると思っての行動でしょ?
めちゃくちゃ嬉しいんだけど。こんな嬉しいの初めてかも」


ドキッ。


弾むような声に反して、髪をなでるその手はゆっくり穏やかで。

鼓動がみるみるうちに加速していく。
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