悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
「んー……なら、漣が嫌いな女子になってみるとか?」
「嫌いって?」
「そうね、例えば……」
チラリと漣くんを見ようとしたら。
「おはよう、漣くん。
今日の委員会、会議室に変更だって」
「……どーも」
周りの子たちをものともせず、漣くんに話しかける女の子がいた。
今地 浬々(イマチ リリ)ちゃん。
このクラスの副委員長さん。
メガネと腰まであるツヤツヤな黒髪が印象的な、落ちつきのある、大人っぽい美人さん。
すずちゃんみたいに、身長も高めでスタイルもいいから、モデルさんみたい。
「あの子、あたし苦手だなぁ……」
「え?そうなの?」
見る限りすずちゃんが嫌いになる要素はないと思うけど……。
同じ委員会の漣くんは別として、江川くんに積極的に話しかける姿は見たことがない。
「漣がすきだから」
「っ、えっ?」