悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
「あの子美人だけど、結構性格きついよ。実際、漣以外の男子に話しかけられたらぜんぶ無視だし」
「無視?」
「そ。
漣と話してる時の姿、見てみな。ちょっと声のトーン高めだし、分かりづらいけど、顔いつもより赤くなってるし」
「………」
「まあ、漣も気づいてると思うよ。好意持たれてるってことは。だからたとえ同じ委員会であっても、そっけない」
「漣くん、良かったら委員会一緒に行かない?」
「無理。職員室に用あるから」
横に立っている浬々ちゃんの方を見ることもなく、視線はノートに落ちたまま。
「ね?バッサリでしょ。
いくら騒がないとはいえ、顔だけで好きになってくる子は全員論外」
漣くん……。
「結局、あいつには海凪しかありえないってこと。溺愛じゃん」
ニヤニヤ顔のすずちゃんに、じわじわと顔が熱くなる。
そんなこと聞いたら、ますます離れなくなっちゃうよ……。