悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「あの子美人だけど、結構性格きついよ。実際、漣以外の男子に話しかけられたらぜんぶ無視だし」


「無視?」


「そ。
漣と話してる時の姿、見てみな。ちょっと声のトーン高めだし、分かりづらいけど、顔いつもより赤くなってるし」


「………」


「まあ、漣も気づいてると思うよ。好意持たれてるってことは。だからたとえ同じ委員会であっても、そっけない」


「漣くん、良かったら委員会一緒に行かない?」

「無理。職員室に用あるから」


横に立っている浬々ちゃんの方を見ることもなく、視線はノートに落ちたまま。


「ね?バッサリでしょ。
いくら騒がないとはいえ、顔だけで好きになってくる子は全員論外」


漣くん……。


「結局、あいつには海凪しかありえないってこと。溺愛じゃん」


ニヤニヤ顔のすずちゃんに、じわじわと顔が熱くなる。

そんなこと聞いたら、ますます離れなくなっちゃうよ……。
< 210 / 308 >

この作品をシェア

pagetop