悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「離れる約束じゃ……っ」


「向坂」


身をよじるわたしの後頭部に手を押さえ、ポフッと肩に顔を押しつけられる。


「好きだよ」


「えっ?」


「向坂が好き」


「えっ、はっ」


待って待って待って。


「向坂?」


「えっと、えっと、えっ??」


「ちゃんと息して、向坂。
よし、一旦落ちつこうか」


なっ……

はあ!?


「そ、そそそんなのっ、落ちつけるわけないっ!!」


ドンッとできる限りの力でその広い胸板を押す。


「顔真っ赤」


「あっ、当たり前ですっ!!」


ずっと近寄り難いと思ってたし、苦手だと思ってはいたけれど。


こんなイケメンでかっこいい人に抱きしめられて、告白までされて。


動揺しない方がおかしいよっ!
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