悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「動揺、してる?」


「当たり前ですっ!!」


「いやではなかった?」


「そんなっ、いやなはずない……って、あ」


「ふーん?」


かんっぜんに答え方間違えた。

わたしがわーわー言ってるのになぜか楽しそうに頬を緩めてて。

心底嬉しくてたまらないという表情。


「だ、だからといってわたしは別に漣くんのことは……っ!?」


「安心していーよ」


続きを遮るように、トンっと唇に長い人差し指が置かれた。


「向坂は絶対、100パー俺を好きになる。つーか、ならせる」


!!?


「俺を好きになってくれるよう、押して押して押しまくるだけだし」


「押し……?なに……?」


引き気味なのに、目の前には満面の笑みがあるだけ。


「そーだよ。俺、向坂だけはどーしても諦められない。好きなんだよ」


「そうっ、言われても……っ」


「俺は向坂がめちゃくちゃ好き。
これだけじゃ、だめ?」


「っ、」


「俺と付き合ってよ、向坂」


「ううっ……」


あまりにグイグイくる漣くんに耐えきれず。


「わかり、ました……」


思わずコクンと首を縦に振るしかなかった。
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