悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「えっ、一人暮らし……?」


「厳密には二人暮らし。けど、もう1人の住人は仕事でほとんどいないから」


ヤレヤレとため息をつく漣くん。


あ……。

もしかしてわたし、余計なこと聞いちゃった……?


「べつに複雑な家庭じゃないよ、うちは」

「えっ?」


「沈んだ顔になったから、聞いちゃまずかったかなーなんて思ったんでしょ?」


「……漣くん、エスパーですか?」

「はい。
海凪限定ですけど」


クスクス笑う漣くんに促されて、ソファーに並んで座った。


「親が海外で仕事してるから、叔父と二人暮らしなの」


「そうなんだ……」


「基本職場近くで寝泊まりしてるからあんまり帰ってこないんだよ。正直言って鬱陶しいし、めんどくさい人だから、別にいいんだけど」


また深くため息をついた。

そ、そんなにめんどくさい人、なのかな……?


でも……。


「漣くん、その人のこと、大好きなんじゃない?」


「……なんで?」


「めんどくさい人って言ったけど、漣くん、すっごく優しい顔してるから」


「っ!!」
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