悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。

いくら男の子でも、親になかなか会えないのは寂しいはず。

保育園のときわたしなんて、お母さんと離れたくなくて、ずっとしがみついてたから。


「漣くんにとっては大事な家族で、大切な人。前から思ってたけど、漣くん、お友達にも結構ツンデレなタイプだよね」


「……そう?」


「うん、江川くんとか。
でも、ちょっぴり悔しいなぁ……」


「なにが?」


「わたしの知らない漣くんをたくさん知ってて。家族だし、当たり前だけど……」


そう口にしたとき、気づいた。


この感情、浬々ちゃんに思ったのと同じ。

……やきもち。

やっぱりわたし、漣くんのこと……。



「さ、漣くん?」


「なに」


「えと、大丈夫?」


「なにが」


「顔と耳、赤い気が……」


「っ、誰のせいだと思ってんの」
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