悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


わたしの顔はみるみるうちに真っ赤に……ではなく、真っ青に。

そして例のごとく、ずササッと勢いよく離れる。


「ちゃんと話きいてっ!」


「聞いてる。
ねえ、だからなんでそんな距離とるわけ」


「そこなのっ!?」


またググッと眉間にシワがよってる。

さっきから漣くんの不機嫌ポイントがイマイチわからない……


「そーだよ。
ほら、こっちきて」


「いっ、いやですっ」


「なら、俺が近づくまで」


「ひゃあっ!
こっちこないでくださいっ」


慌てて立ち上がって、腕を胸の前でクロスさせて背を向ける。


その長い足じゃわたしのところまですぐだ。


けど逃げない。


実は告白されてから、こうして二人で会うのは今日で2回目。


テストでバタバタしてて、この数日話せなかったから。

だからこの間は流されちゃったけど、今日は曖昧に終わらせないって決めた。

この距離を保って、ちゃんと話さないと!


「向坂」


「いきませんっ」


「さーきーさーかー」


「何度呼ばれてもわたしはっ……」


「───海凪」


「っ、」

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