悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
「で、でもまさか、副委員長なんてびっくりしたよ……」
「あー……実は前々から湊に頼んでいたことではあったんだけどね」
「えっ、そうなの?」
「うん。
最初は放置してたけど、仕事もしなくなってきて、いい加減我慢の限界になって」
でも漣くん、わたしにそんなこと一言も……。
「海凪には知られたくなかった。ただでさえ口説いてる途中に別の女に言い寄られてるなんてなったら、ぜったい断られると思ってたし」
「漣くん……」
「それに、好きな子の前ではできるだけカッコよくいたいのが男だから。女で悩んでるなんて、特に。俺は海凪しか見えてないって分かってほしかったから」
「そう、だったんだ……」
ぜんぶ、わたしのため……。
そう思ったら胸がきゅうっと音を立てて、漣くんへの気持ちがまた一気に込み上げてきて。
「海凪から来てくれるなんて。
俺、今日命日?」
「っ、ばか……」
あまりに幸せだと言わんばかりに笑うから、あたたかい胸に顔をうずめた。