悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「そろそろ教室戻ろっか」


放課後、また会おうな。


そう約束して、教室までの道を歩いていた時だった。


「人、来ちゃうから……」


「大丈夫。
誰もこないよ」


あれ、この声……。


「あそこ」


七流くんが指さした先にいたのは。


「す、すずちゃ……ッ!?」

「しー……気づかれる」


たまたま通りかかった理科室の奥で。


「俺に集中して」


「ちょっ、江川……んっ、」


「岬って呼べって言ってんだろ?」


頬を赤く染めて拒むすずちゃんの顎をすくい、キスを落とす江川くん。


「……友人の恋愛事情なんて見たくなかった」


一瞬江川くんがこっちを見た気がして、慌てて七流くんの腕を引っ張って離れる。


「え、江川くん、あんなキャラだったんだ……」
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