悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。
いつの間にかすずちゃんの隣の席に座っていた江川くん。
「あれ、さっきまで漣くんのところにいなかった?」
「あーうん、そうなんだけど、女子たちに囲まれて疲れちゃって」
「うっわ、イヤミー」
ジト目のすずちゃんに江川くんは違うよと笑う。
江川 岬(エガワ ミサキ)くん。
わたしたちと同じ中学出身で、漣くんのお友達。
いつもクールな漣くんとは違い、穏やかで落ちついたオーラ。
ベージュの髪色のおかげか、優しい雰囲気が増し増しで。
身長も高いし、いつもにこにこしてるから王子様みたいな人。
漣くんとは正反対。
「で?小山は大人っぽい人が好きなんだ?」
「ま、まあそうだけど……てゆーか乙女の話に聞き耳立てないでよ」
「乙女?それ自分で言っちゃうんだ?」
「うるさいなっ」
なんだろう。
すずちゃん、すっごくかわいい……
実は中学の時から思ってたこと。
元々美人さんだから当たり前なんだけど、江川くんと話してる時はなんていうか。
ほっぺたがほんのり赤くて、言葉はそっけないけどきつい感じは全くなくて。
お姉さんじゃない、女の子って感じ。