悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。

もしかして余裕のある大人っぽい人って、江川くんのことを言ってたとか……？


「江川くん、わたし勉強するからすずちゃんと話してていいよ」


「えっ、海凪!?」


「もしかして俺、ふたりの邪魔しちゃった？」


「そうだよ、海凪！
悪いのは江川で……」


「すずちゃん？」


慌てるすずちゃんににっこり笑う。


「それ以上は、だめだよ」


口には出さず、目だけで会話する。


『せっかく江川くんが来てくれたんだし、
話さなきゃもったいないよ』


なにも言わず頷くわたしに、すずちゃんもより頬を赤らめて口を閉ざした。


「っ、江川！」

「ん？なに？」


「こっ、この間のテスト、どうだった？」


「あー、あれね……」


よしよし、うまくいったみたい。

しどろもどろなすずちゃんと、うんうんと言葉の続きを待ってあげる江川くん。


お似合いかも、このふたり。


そしてすずちゃん、かわいすぎる……！


よーし、わたしも残り時間勉強して……


「っ、」


まただ。

一人になった途端、見て見ぬふりをしていたそれに意識が向く。