悪い優等生くんと、絶対秘密のお付き合い。


「そういうわけだから、よろしく」


漣くん。

そんな発言のすぐあとで、よくもそんなクールな表情できますね。


あまいのも。

穏やかなのも。


とびきり優しい笑顔も。


クールなのも。


ぜんぶぜんぶ漣くんでまちがってないのに、なんだろうこれ。


わたし漣くんっていう波に、一気にのまれちゃってる気がする。


今のはぜんぜん、うん。

うまいこと言ったとか思ってないよ、ぜんぜん。


うん。


「漣くん」


「うん?」


「……漣くんはどれがほんとの漣くんなんですか」


うまく言葉にできてないけれど、目の前の彼はクールな表情を崩してフッと口角をあげた。


「ぜんぶ俺で合ってるよ。
海凪といると、クールにいるとか基本むりだし」
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