月の光に響く時
状況についていけない。

突然目の前の二人が凶器を持って争っている。

あまりの速さに動きなんてよく見えないけど、とにかく危険な事はわかる。

刀がぶつかる音が辺りに響き渡っている。


ひいいっ・・なんなの!?これなんなのぉお!??


涙目で私は四つん這いの状態でゆっくりと後ろに後ずさった。


このままバレずに逃げるしかない!!!お母さんに、警察をっ・・


「おっと、何処に行くんスか?」

「ひっ!?」


またもや突然の見知らぬ声に、声が裏返ってしまった。

にっこりと笑顔の少年が私の背後に立っていた。


「え・・あ・・え?」

「この危険な状況で貴女がいなくなったら更に危険になるっスよ」


何!?意味わかんない!!ていうかこの人も誰なの!?二人の知り合いなの!?


頭の中はパニックでぐちゃぐちゃだ。

どうしたらいいのか全然わからない。逃げたいんだけど、逃げられないの??


その少年は金髪の人と同じ瞳の色をしてる。

桜の様な薄い桃色。

見た目は私と同じ17歳くらいだろうか。

屈託のない笑顔に見えるけど、どこか怖い感じもする。


「面倒な事になりたくないんで、ここで大人しくしててくださいね」


にこり。

目が笑ってない!!!
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