月の光に響く時
「ようやく・・こうすることが出来る」


ぎゅっ・・

と私を抱き寄せる。


更にカチンと固まってしまった。

男の人に抱き締められるなんて人生で初めてだ。

緊張して息が出来ない。

恐怖が更に増し身体が小刻みに震えてきた。

震える声で拒否をするしか出来ない。


「は・・離して・・ください・・苦しい」

「駄目だ。今は余韻に浸っていたい」


余韻?なんの?



ぎゅっ。

その人の指先にまで温もりを感じる。

とても大事そうに、愛おしそうに私を抱きしめてくる。




この人、一体?
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