月の光に響く時
「このっ・・何度言えば!!」

「嫌ぁっ!!」


ベッドに無理矢理に倒され、馬乗りにされた。

両手を抑えられ、力で拘束される。

殺される!!

誰か!おじいちゃん!!


「そうやって・・」


くしゃりと歪んだその顔はとても悔しそうに見えた。


「またお前はそうやって・・・俺を拒むのか・・」

「っ・・・」

「何度生まれ変わっても・・変わらないのか・・」

「律・・」


つ・・・と律鬼さんの頬に雫が一粒零れた。


ドキン


な、泣いている!?男の人が!?



「どうやったら、俺は・・この想いから解放されるんだ。どうやったらお前を諦められる・・苦しい」


そんな事・・言われても・・わかんないよ。

でも、なんでかな?

この人の声を聞くと凄く胸が苦しくなる。

切ない気持ちでいっぱいになる。

声が嘘っぽくないから。


「あぁ・・」


その大きな手は私を包み込んで離さない。


「何年経ってもずっと・・想いは変わらないものなんだな・・」
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