月の光に響く時
「お前に力を貸してもらう」


律鬼さんの両手が私の頭を捕らえた。

じっと目と目が合い、その紫の瞳はゆっくりと閉じられた。


「な・・んっ・・!?」


スウウウウッ

強引に律鬼さんが私の唇を奪うと、私の体から力が一気に抜けて行くのを感じた。


「り・・つ・・」


「少し眠くなるだけだ。このまま眠っていろ。すぐ戻る」



私は律鬼さんに精気を吸われてしまったらしい。

瞼が重くなりぼんやりと見つめる先で、律鬼さんの身体は蒼い光を纏った。


「相変わらず素晴らしい力だ。誰にも渡す訳にはいかん」


そう言って私をベッドに寝かせると、そのまま律鬼さんは部屋を後にした。

誰かと戦う為に。
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