月の光に響く時
~~~~~~~~~

「ん・・・」

私は数時間後目を覚ました。

「えっ!?」


そして、横に倒れている律鬼さんを見つけた。

全身傷だらけで倒れている。

真っ赤な血がベッドのシーツに滲んでいる。


「り、律鬼さん!?律鬼さん!?」

「ん・・・あぁ・・起きたか・・」


意識はあるみたいだ。


「い、一体どうしたんですか?何をやっていたんですか!?」


「しれた・・事を・・」


「え?」


律鬼さんの手がゆっくりと私の手を握る。


「お前を・・誰にも渡さぬ・・様に・・守った」


ズキン


「そ・・それでこんな!?」


「フフ・・桜鬼め。今頃城で・・さぞ悔しがっているだろう・な・・」


桜鬼!?

あの金髪の鬼の事??

凄い傷だ。こまごまと刃物で切り付けられた傷や、大きな傷が肩にある。


「大丈夫ですか!?あのっ・・どど、どうすれば・・」


と慌てふためく私を見て、律鬼さんは目を見開いた。

驚いているみたいだ。


「フフフ・・ハハ・・」


「え!?なんで笑って・・どうしたんですか!?」


「そんな表情を見たのは初めてだ・・なんと・・愛いのだろう」


血が滴っているというのに余裕そうに笑っている。


「は、はあ!?こんな時に何を言ってるんですか!?心配してるのに!」


律鬼さんは自分の身体をゆっくり起こす。


「少し経てば傷は治っていく。安心・・しろ」

「え!?」

「鬼は人間よりもはるかに治癒能力が高い。ゆえになかなか相手の息の根を止めることが難しいのだがな・・くっ」


何それ!?理解出来ない!!しかも痛そう!!


血だらけで額からもぽたぽたと血を垂らしているというのに、とても嬉しそうな顔で笑っている。


「と、とにかく痛々しいので、止血してください!怖いですっ」

「ああ、そうしよう」


とりあえず近くにあった布を傷口にあて、私は見ない様に必死だった。

だって、傷口みると自分も痛く感じるんだもん。


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