月の光に響く時
「連れて来たか。誉」

ドキン


私はその声を聞いて緊張した。

俯いてしまって、顔を上げる事が出来なかった。


「おい?顔見せろ」

「・・・」

「かぐや」


ドキン



両手で頬を抑えられ、顔を上げさせられた。


「ケガさせられたんだろ?」

「は・・・はい」


目の前には綺麗な桃色の瞳。

麗しいという言葉はこの人の為にあるんじゃないかと思うくらい綺麗な顔だちだった。


やっぱり鬼って、ワザとこういう顔なんだ・・きっと。

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