月の光に響く時
「昔の俺の事を無理に思い出さなくてもいい。これからまた知ればいいだろ。
それでお前が決めればいい。好きか嫌いか」


す、凄い自信だ。

そんな事言えるなんて。


「俺は何も変わらない」


ぎゅっ

と抱き寄せられる。

桜鬼の身体が熱い。



「お前とまたこうすることが出来て・・本当に嬉しい」


そんな風に言ってくれているのに、私は何も返せなかった。

私にはまだ、何が本当で何が嘘なのかすらよくわからなかったから。
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