月の光に響く時
私は桜鬼に抱えられながら空の上にいた。

紅家の城の天守閣からそのまま桜鬼は急に飛び上がったの。


「・・高い・怖い・・」


「根っからのヘタレに生まれ変わったみたいだな、お前」


桜鬼の首に腕を回してなるべく下を見ない様にした。

鬼が飛べるなんて知らないし、ていうか・・わざわざ空飛ばなくてもいいじゃない!


「ぷぷ、そんなこと言って桜鬼様、ちょっと嬉しいんじゃないですか?姫様に抱き着かれて」


「誉、お前いつからそんなキャラになった」


「え?1000年前からですけど」


「一応俺はお前の主だぞ。口を慎めよ。だが・・・まあ、そうだな」


と桜鬼はクスリと笑って私を抱きしめる。


「こうしてお前のぬくもりを近くに感じる事が出来るのは、悪くない」


私はそれどころじゃないんだけどねええっ
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