月の光に響く時
その時だった。


バチバチバチ!!!

と電気の様な、雷の様な不思議な音が聞こえた。

振り向くと、突然見知らぬ男の人が立っていた。

一瞬の出来事だ。


「うわっびっくりした!!誰!?うちに何か御用ですか!?」


突然の来客に、流石に私もおじいちゃんも驚いた。

しかもその人は異様な雰囲気だった。

白とネイビーの着物を着ていて、薄紫の羽織を何故か頭から被っていた。

幽霊かと思って足を見たけどちゃんとついてる。



ザ・・ザ・・

と足音をたて、男は無言でこちらへ向かってきた。

その異常な雰囲気におじいちゃんは私を背後へとかくまった。


「誰だ?なんの用だ?なんでそんな恰好をしているんだ?」


と後ずさりしながらおじいちゃんはたじろぐ。

私も後ろから怯えつつも様子を伺った。

すると男の人は俯いていた顔をゆっくりと上げた。


「・・・」


憂いに満ちた様な表情で私をジッと見つめてきた。


ドクン。

と私の心臓が大きく脈打った。


私もそのまま見入ってしまった。

その人の目の色が深い深い水晶の様な紫色だったから。

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