月の光に響く時
「沙夜・・?」


「・・・」


ショックを通り越して、逆に真っさらになった様に体の力が抜けてしまった。

自分では見ていない。受け入れられない。

だけど、誉も律鬼さんもそんな酷い冗談は言わないと思うんだ。


「・・んな」


ぎゅっと力強く律鬼さんは私を抱きしめる。


「・・・・」


慰めの言葉はない。

あるわけない。

だって自分も鬼なんだから。

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