月の光に響く時
「奏!!!」


律鬼さんは奏を殴った。

そして私の首から手が離れ、律鬼さんに抱き留められた。


「律鬼様!!何故生かしておくのですか!!大人しくしていればいいものをこの女は!」


「黙れ。」


ドスのきいた低い声で律鬼さんは一言放った。


「奏、お前の忠誠は大昔から変わらない。それはよく知っている。
だが、だからこそ俺のやることには手を出すな」


「律鬼様・・そんなにもその女を・・」


観念した様に奏は頭を垂れた。


「今回の事は覚えておく。今後余計な事をすれば、お前の首はない。行け」

「・・・はい」


奏は静かに部屋を後にした。

血が出るほど唇を噛みしめながら。

< 81 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop