切なくて…逢いたくて…涙
また仕事を開始すると

今度は女子社員と社長秘書が来た
そのままトイレに連れ込まれた

女子社員が
清掃中の札をトイレの入り口に設置した
これを設置すると誰も入ってくることはない

「城田さん
私…忠告しましたよね⁇
社長に近づかないでって」

社長秘書は私を睨みつけながら言った

「はい…」

「今…社長と話してたでしょ!
何⁇アパートに行くって!
社長はあんたの家に行った事があるの⁇」

「………………」

ここで何か言えば社長が…

「はっきり言いなさいよ!」

女子社員が私を突き飛ばして来た
それでよろめいて倒れてしまった

「あのさあ
私は…社長の許嫁よ!婚約者なのよ!
この泥棒猫が!」

「……うっ!…」

お腹を蹴られた

女子社員は汚れた雑巾を濡らし
私の頭の上で絞った

「あら⁇ここにいたの⁇
わからなくて雑巾絞っちゃった〜」

そう言うとケラケラ笑い出した

そして社長秘書が

「これでわかったでしょ!
私が言いたい事…
あんたみたいな清掃員が社長に手を出して
いいと思ってんの!
まあ社長もあんたみたいな子
ちょっと珍しいだけよ
社長に話しかけられたからって調子に
乗らないでよね
今度何かあったら…あんたの会社
理由をつけて取引停止にしてもらうから」

「そんな…」

そんな…私はいい…でも会社が
取引停止になるのは困る

「いい気味ね
お嬢様だったのに…今はこんな姿で
天国のご両親も…さぞかし
泣いておられるでしょうね
行きましょう」

社長秘書がそう言ってトイレから出ると
女子社員も出て行った

涙が出てくる

あの人はなぜ…両親が亡くなっている事を
知ってるの⁇

あ〜そんな事考えてる暇はない
顔を洗った

伊藤さんにバレたら大変
バレない様にしないと

……うっ!…お腹痛い…














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