悪鬼沸く世界で妖族への転身
この世界には哺乳類や爬虫類、植物類や昆虫類…沢山の生き物が生息している。俺達"ヒトガタ"は4種類に分けられている。『獣族』、『妖族』、『魔族』、『平族』の4種類。まぁほとんどが平族ってなんだけど…簡単に説明すれば平族は普通の人間。それ以外は動物の習性を持っていたり、魔法とか錬金術が使えたりって異能力が使える種族ってところかな。俺が通う学校もいろんな種族がいるからあとから紹介するよ。
キーンコーンカーン…
お、やべ‼じゃあまた後で!
「お、珍しいじゃんユウが遅刻ギリギリなんて」
「朝から転校生に会ってな。頼むから降りてくれ、俺の首が折れる」
俺に飛びついてきたこいつは幼馴染みのダイレン。魔族のヒトガタだ。
「なぁなぁ、女の子か、女の子かぁ!?」
そして、タラシだ。
「ダイレン、ユウの首が折れるでしょ!」
彼女はツユアカリ。確か妖族だった気がする。
「あれ…"ライダス"は来てねーの?」
ライダスは獣族…夜行性のコウモリの。夜行性…
「寝坊じゃないの?夜行性だし」
「でもいーよなぁ、俺らと違って習性優先って。遅刻も遅刻じゃねーしさ…」
獣族はヒトガタの中でもヒトバナレしているからそっちを優先させるだと。平族の俺にはわからんが。
「席につけ。転校生が来ている」
担任のミレイ先生の鋭い一声で騒がしかった教室もゾロゾロ自分の席につき静かになった。
「先生今日のシャンプーは薔薇ですね‼」
「だからなんだ」
ダイレン、お前一回黙れ。
「ホームルームを始める前に転校生が二人来ている。妖族と平族の転校生だ。入りなさい」
一斉に生徒がドアに注目した。二人いたのか、転校生。
「かわ、か、かかかかわいいぃぃ!!!」
「静かにしろ!」
ギリギリで呪術を交したダイレン。次はないぞ、お前…可愛いのは確かだけど。
「妖族のアカギリだ。田舎者ゆえ迷惑をかけるやもしれぬがよろしく頼む」
いかにも妖族という感じだ。普通なら隠すはずの縦開きの瞳孔も牙も爪も全てさらけ出していた。流石にその容姿に空気が変わった。誰もが悟っただろう。喰われると。が、その空気も一瞬だった。
「平族のアオイです!よろしくね」
清楚系の女子の綺麗な声で空気は一変した。
「俺アオイちゃんタイプ」
軽く拳を引くダイレン。背もたれで肘をぶつけていたことは黙っておこう。
「二人の席はユウの後ろの空いている二席だ。ユウ挙手」
「はい」
俺が手を上げた瞬間アカギリさんは着席していた。アオイさんは微笑みながら席に向かっていた。…かわいい…
「よろしくね、ユウくん」
「よ、よろしく」
なぜか心臓が激しく動いてしまった。
「ホームルームに入る」
連絡事項は特になかった。ちなみにミレイ先生は魔族で呪術が得意らしい。ダイレンいわくかかったら解くのにかなり苦労するらしい。
「流石転校生ね。もう囲まれちゃってる」
「アオイさんは平族だから話せそうだけどな…」
どうして隠さないんだと頭の中でずっと考えていた。案の定囲まれているのはアオイさんだけ。まぁ無理もないか。
「アカギリね、猫の妖なんだけどたぶんあの容姿が精一杯ヒトに似せてるんだと思う」
ツユアカリが突然そう言った。アカギリさんを知ってるかのように。
「ちょっと話してくるね」
心配するなとでも言うように俺の肩を叩いてアカギリさんの方に向かって行った。
「アカギリ!」
「…!ツユアカリか」
声を掛ければ不満そうな表情が晴れたのがわかった。相変わらず分かりやすいな、アカギリ。
「久しぶりじゃん、元気にしてた?」
「あぁ。この通りだ」
「また瞳の色が変わってる!」
「…あまり嬉しくはないがな」
瞳の色が変わる。それは強さを意味するの。生まれたばかりはヒトのように黒いけど、妖力が増すごとに深い青から緑、黄色、橙、朱、赤、紅って順に瞳の色が変わるんだけど、アカギリは紅の瞳。つまり最も強い妖力を持つ証。
「綺麗な色ね…私もいつか紅の瞳になりたいなぁ」
「おすすめはしないがな…ツユアカリはかわってないじゃなぁ?」
私の瞳は黄色。まだまだ弱い証拠。だから自分を守る事で精一杯。だからどんなときもアカギリが助けてくれた。
「しかしまぁ…妖力が高まると容姿もこれが限界でね…怖いかの…?」
やっぱり気にしていたのね。妖族のもいろんな妖がいるけどその中でも鬼は容姿を操るのが一番難しいって言われてるの。それに容姿をヒトに近づけるためには妖力の抑制が必要で妖力の強いアカギリは髪の色や皮膚の色を変えるだけで、抑制できない妖力が溢れ返るらしい。
「平族が羨ましく見えるの…」
「あはは…でもアカギリは今の方が私は好きだけどなぁ」
「そんなこと言うのはツユアカリだけじゃ」
少し話した所で予鈴がなりはじめた。
キーンコーンカーン…
お、やべ‼じゃあまた後で!
「お、珍しいじゃんユウが遅刻ギリギリなんて」
「朝から転校生に会ってな。頼むから降りてくれ、俺の首が折れる」
俺に飛びついてきたこいつは幼馴染みのダイレン。魔族のヒトガタだ。
「なぁなぁ、女の子か、女の子かぁ!?」
そして、タラシだ。
「ダイレン、ユウの首が折れるでしょ!」
彼女はツユアカリ。確か妖族だった気がする。
「あれ…"ライダス"は来てねーの?」
ライダスは獣族…夜行性のコウモリの。夜行性…
「寝坊じゃないの?夜行性だし」
「でもいーよなぁ、俺らと違って習性優先って。遅刻も遅刻じゃねーしさ…」
獣族はヒトガタの中でもヒトバナレしているからそっちを優先させるだと。平族の俺にはわからんが。
「席につけ。転校生が来ている」
担任のミレイ先生の鋭い一声で騒がしかった教室もゾロゾロ自分の席につき静かになった。
「先生今日のシャンプーは薔薇ですね‼」
「だからなんだ」
ダイレン、お前一回黙れ。
「ホームルームを始める前に転校生が二人来ている。妖族と平族の転校生だ。入りなさい」
一斉に生徒がドアに注目した。二人いたのか、転校生。
「かわ、か、かかかかわいいぃぃ!!!」
「静かにしろ!」
ギリギリで呪術を交したダイレン。次はないぞ、お前…可愛いのは確かだけど。
「妖族のアカギリだ。田舎者ゆえ迷惑をかけるやもしれぬがよろしく頼む」
いかにも妖族という感じだ。普通なら隠すはずの縦開きの瞳孔も牙も爪も全てさらけ出していた。流石にその容姿に空気が変わった。誰もが悟っただろう。喰われると。が、その空気も一瞬だった。
「平族のアオイです!よろしくね」
清楚系の女子の綺麗な声で空気は一変した。
「俺アオイちゃんタイプ」
軽く拳を引くダイレン。背もたれで肘をぶつけていたことは黙っておこう。
「二人の席はユウの後ろの空いている二席だ。ユウ挙手」
「はい」
俺が手を上げた瞬間アカギリさんは着席していた。アオイさんは微笑みながら席に向かっていた。…かわいい…
「よろしくね、ユウくん」
「よ、よろしく」
なぜか心臓が激しく動いてしまった。
「ホームルームに入る」
連絡事項は特になかった。ちなみにミレイ先生は魔族で呪術が得意らしい。ダイレンいわくかかったら解くのにかなり苦労するらしい。
「流石転校生ね。もう囲まれちゃってる」
「アオイさんは平族だから話せそうだけどな…」
どうして隠さないんだと頭の中でずっと考えていた。案の定囲まれているのはアオイさんだけ。まぁ無理もないか。
「アカギリね、猫の妖なんだけどたぶんあの容姿が精一杯ヒトに似せてるんだと思う」
ツユアカリが突然そう言った。アカギリさんを知ってるかのように。
「ちょっと話してくるね」
心配するなとでも言うように俺の肩を叩いてアカギリさんの方に向かって行った。
「アカギリ!」
「…!ツユアカリか」
声を掛ければ不満そうな表情が晴れたのがわかった。相変わらず分かりやすいな、アカギリ。
「久しぶりじゃん、元気にしてた?」
「あぁ。この通りだ」
「また瞳の色が変わってる!」
「…あまり嬉しくはないがな」
瞳の色が変わる。それは強さを意味するの。生まれたばかりはヒトのように黒いけど、妖力が増すごとに深い青から緑、黄色、橙、朱、赤、紅って順に瞳の色が変わるんだけど、アカギリは紅の瞳。つまり最も強い妖力を持つ証。
「綺麗な色ね…私もいつか紅の瞳になりたいなぁ」
「おすすめはしないがな…ツユアカリはかわってないじゃなぁ?」
私の瞳は黄色。まだまだ弱い証拠。だから自分を守る事で精一杯。だからどんなときもアカギリが助けてくれた。
「しかしまぁ…妖力が高まると容姿もこれが限界でね…怖いかの…?」
やっぱり気にしていたのね。妖族のもいろんな妖がいるけどその中でも鬼は容姿を操るのが一番難しいって言われてるの。それに容姿をヒトに近づけるためには妖力の抑制が必要で妖力の強いアカギリは髪の色や皮膚の色を変えるだけで、抑制できない妖力が溢れ返るらしい。
「平族が羨ましく見えるの…」
「あはは…でもアカギリは今の方が私は好きだけどなぁ」
「そんなこと言うのはツユアカリだけじゃ」
少し話した所で予鈴がなりはじめた。
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