そして最後の嘘をつく
「なんで勝手にいなくなっちゃうの!」

自棄くそになりつつ大家に聞いた。
何処に行ったのかは知らないと言われた。

絶対に見つけてやる。

君の部屋の前に座り込んだ。
大家に文句を言われても退かなかった。

1週間が過ぎ、月曜日がくる。
それが繰り返されて1ヶ月が
経ったとき、私はもう一度速水くんに
会うことが出来たんだ。

『如月、さん...?!』

驚いて固まる速水くんを、
私はただただ強く抱き締める。

『馬鹿だね、高校生くんは。
部屋を引き払ったくらいで私の気持ちが
冷めるとでも思ったの?』

好きになっていた。

どこか浮世離れしている見た目も
少し男子にしては高い声も
何もかもがいとおしく思えていた。

だから、君の言葉に傷付いたんだ。
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