そして最後の嘘をつく
そして、私は少し微笑むと
葬儀会場で異様な雰囲気を醸し出す
グランドピアノに腰かける。

これは彼の両親に頼まれたことだった。

深呼吸をして鍵盤に指を置く。

そうして弾き始めたのは、
私たちの始まりと終わりを描く曲。



トルコ行進曲のジャズアレンジだった。


葬儀にそぐわないアップテンポの曲
だが、参列者の目には涙が溢れていた。
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