和菓子が繋ぐラグジュアリー。
「とりあえず一度ぐらい食事に行くぞ。
店まで迎えに行く。それでいいから着物を着てこい。
何の服を持っているか分からないからな」
「は、はい……」
慌てて返事をするが、これだとデートではないかしら?
そんな夜に一緒に食事をするだなんて……。
意識をすると心臓がドキドキと高鳴ってしまった。
その後にお店に戻るが、まだドキドキしていた。
女将さんにそのことを話すと張り切って
さらに上等な着物を貸してくれた。
えっ……これ本当にいいのかしら?
それに先輩のご厚意で定時より早めに上がらせてくれた。
支度に時間がかかるだろうかと。
何から何まで悪い気がするが、とりあえず
着物に着替え支度をすることにした。
メイクは、軽く直す程度にファンデや
リップぐらいしか持っていない。
これでいいかなと思ったが女将さんが貸してくれた。
髪飾りもだ。
無事にセットが終わり待っていると
華京院様が本当に迎えにきた。しかも1人で。
そして私を見るなりまた目を見開いていた。変かしら?
オロオロしていると女将さんが私の背中を押してきた。
「さぁ頑張ってらっしゃい。花恋ちゃん。
あなたは、とても綺麗で素敵よ」と言ってくれた。
女将さん……。
女将さんに言われるとちょっと勇気が湧いてきた。
すると華京院様は「行くか」と言ってくる。
私は、返事をすると華京院様のところに行く。
すると私の肩に手を回してきた。
余計に心臓がドキッと高鳴ってしまう。
そして一緒に歩き出した。
向かう先は、オフィスビルの54Fにある高級レストランだ。
一流のシェフが作ってくれるらしい。
美味しいディナーは、楽しみなのだが
なんせ華京院様と一緒なのだ。
オフィスビルの中に入ると帰り際の社員達の目が痛かった。コソコソと噂している。
どうしよう……何?あの地味な女とか言われたら