和菓子が繋ぐラグジュアリー。
「わ、私がですか!?」
嘘っ……まったく覚えていない。
じゃあ私ったら自ら招いたことなの?
酔って自分から誘うなんて……なんて恥ずかしい。
あぁ……やっぱり穴があったら入りたい。
「お前……まさか覚えてないのか!?」
「は、はい。すみません……」
華京院様は、私が覚えていないことに驚いていた。
申し訳ない気持ちで頭を下げるが、本当に覚えていない。
どうしよう……どんな風に誘ったのだろうか?
恥ずかしい姿になっていたら、もう死にたい。
よくないことばかり考えてブルーになっていると
華京院様は、さらに深いため息を吐いてきた。
そのため息に私は、ビクッと肩が震えた。
「忘れたのなら仕方がない。ならもう一度仕切り直しだ!
あんな状態のままで認識されたら俺は、
女にだらしがない悪い男みたいで気分が悪い。
今度は、もっと昨日より上手くやって認めさせてやる」
認めさせるって何を?いやいや。
それよりも仕切り直しって……またやり直す気ですか!?
自分自身で女にだらしなくないと言い切る華京院様にも驚いた。
……そうなの?
私は、てっきり遊び慣れているのだと思っていたわ。
「あの……別に気にさらなくても。
私は、昨日のこと無かったことにしますし」
「はぁ?お前は、俺のことを無かったことにする気が!?
俺は、そんなの認めんぞ。いいか?リベンジだ!
昨日と同じ時間に迎えに行く。その着物で来い。
断るなんて許さんからな」
えっ……えぇっ!?
何だか強引に次のデートを決められてしまった。
次のデートと言っても仕切り直しだが
それってまた……あのレストランで食事をするってこと?
どうしよう……一度きりだと思っていたのに。
謝罪や昨日のことが、さらに大変なことになってしまった。
私は、話が終わると慌ててお店に戻った。
女将さんに相談するために。
「まぁ仕切り直し?あらあら……あの子ったら。
いいんじゃないの?二度目のデートも」