和菓子が繋ぐラグジュアリー。
「二度目ですよ!?もしまた何かやらかしたら
絶体絶命じゃないですか……」
「その時は、その時よ」
にこやかに言う女将さんに唖然とする。
そんな簡単に……。
「大丈夫。華京院様は、昔から知っているけど
根は、素直でいい子よ。あなたを悪くしないわ。
それに、相手を知ることで好きになることもあるものよ」
そうだろうか……?しかし女将さんが昔から
社長のことを知っているなんて意外だ。
あ、でもここは、華京院様が経営している複合タウンなのだから
関わり合っても不思議ではないかしら。
うーん。それでもやっぱり不安でしかない。
でも仕事が終われば華京院様は、迎えに来てしまう。
結局諦めるしかなかった……。
二度目も早めに上がらしてもらい着物とメイクをする。
着物を着ると背筋が伸びるが緊張もしてくるものだ。
すると本当に華京院様が迎えにきた。逃げきれない……。
私は、ため息を吐くとそのまま出た。
「華京院様。お待たせしました」
「うむ。じゃあ行くぞ。花恋」
えっ……?突然名前を呼ばれてドキッとした。
こんなところで名前を呼ばれるなんて
何だかくすぐったく変な気持ちだ。
そうしたら華京院様は、また肩に手を回してきた。
昨日と同じ状況だ。
私は、華京院様に連れて行かれるままオフィスビルにある
高級レストランに向かった。
そしてメニューは、違うが同じワインを……。
しかし今度は、あまり飲まないようにした。
昨日は、それを飲み過ぎて失敗したのだ。
気をつけないと……。
だがディナーを楽しむが、緊張し過ぎて言葉が続かない。
お互いに沈黙してしまう。