和菓子が繋ぐラグジュアリー。

海外のVIPだなんて凄い方達じゃない。
 そんな人達に私が同席するなんて緊張してしまう。
恥ずかしいし……絶対に嫌よ。

「……だろうな。俺もそれには反対している。
 お前には、荷が重過ぎる。しかし母は、
婚約者するのならそれぐらい出来て当然だと言っているんだ。
 どーせそれで見極めるつもりだし
恥でもかけば婚約を諦めるとでも思っているのだろう」

ため息混じりに言う華京院様を見てなるほどだと思った。
 確かにそんな人達の前で大恥をかいてみろ
婚約どころの話ではない。
 それに如月の名も汚しかねない。
不安にしていると華京院様は、席を立ち上がり私のところに来た。

「心配するな。そんなところには行かせない」

華京院様は、そう言うと私を強く抱き締めてきた。
 あまりにも強引に抱き締めるから、またもや
茶菓子を床に落としてしまった。

「か……華京院様。お茶菓子が……」

「気にするな。如月の茶菓子は、形が崩れても
中身は、変わらず旨い」

 そう言うと強引にキスをしてきた。
あ、まただ……!!
 離れようとするも華京院様は、強く抱き締めながら
舌を絡ませてきた。
 ディスクに自分の身体を押し付けられ夢中でキスをした。

そうなった華京院様は、もう止まらない。
 キスをしたがら帯をほどき始めるからだ。
私は、ダメダメと言いながらも身体は、反応してしまう。
 そして社長室なのに抱かれてしまった。

最近の行動は、いつもこうだ。
 私は、ただ茶菓子を届けに来ただけなのに
華京院様は、そんな私を無視して抱いてくる。

ソファーの上で、ぐったりとしていると
 華京院様は、平気な顔で私を膝枕しながら書類を見ていた。
 華京院様の気持ちが分からなくなっていた。

私達は、婚約者のふりなのよね……?
 なのに最近の華京院様は、強引だがキスをしたり抱いてくるし
 それに、こうやって行為の後は、膝枕をしてくれたり
優しく介抱してくれる。

今も書類を見ながら私の髪を優しく撫でてきた。
それは、まるで本物の恋人同士みたいだ。

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