和菓子が繋ぐラグジュアリー。

華京院様もそうだが……きっとモテモテなのだろう。
 ドキドキしながら横顔をチラッと覗いていた。
するとお孫さんがこちらを見てきた。

「すみません。祖父が勝手に言い出して
 もしかしたらご迷惑ではありませんでしたか?」

「あ、いえ……そんな。嬉しかったです」

慌てて否定するが迷惑ではない。
 逆に迷惑では?と思ったぐらいで光栄なことだ。
ちょっと照れくさいけど……。
 お孫さんは、その言葉を聞いてフフッと笑う。

「それなら良かったです。僕のことは、恵斗とお呼び下さい。
 祖父は、何が目的なのか分かりませんが僕は、
こんな着物姿が素敵な方に会うことが出来て嬉しいです」

「えっ……!?」

着物姿か素敵って……。
 お世辞だと分かっていても、こんなカッコいい人に
言われて心臓がドキッと高鳴ってしまった。

「あ、ありがとう……ございます」

どう反応していいか分からなかったが取り合えずお礼を伝える。
 どうしよう……恥ずかしいわ。
緊張している間にも1Fの入り口近くまで来てしまった。

「あの……ありがとうございました。
それでは、失礼致します」

「あ、ちょっと待って……今夜会うこととか出来ませんか?」

「えっ……?」

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