和菓子が繋ぐラグジュアリー。

私は、頭を下げて去ろうとするとお孫さ……恵斗さんが
 今夜会いたいと言ってきた。
まさか恵斗さんまでお誘いが来たので驚いてしまった。

「せっかく会えたいのに……これで終わるなんて勿体ない。
 あなたともっと話がしたいと思いまして。ダメでしょうか?」

「あ、いえ……大丈夫です」

驚きのあまりそう言い返してしまった。
 えっ……それって恵斗さんともデートをするって
思っていいのだろうか?何で私と?
 それに……どうしよう。

 思わず言い返したが私は、現在華京院様と婚約者のふりをしている。
 これって非常に不味いのではないだろうか?
早く断らないと……。

「あ、あの……」

「良かった。急だったら断られるかも?と思っていたので
 じゃあテナントにあるお寿司屋さんとかどうですか?
僕……あそこのお寿司が好きなんです」

「あ、あの……実は……」

 何とか断ろうとするが、すると直前で看護師さんが
急患だと恵斗さんを呼びに来てしまった。
 そのため断ることも出来ないまま行ってしまった。
1人取り残されてしまった……。

これは、本当に不味い気がするわ……。

 私は、慌ててテナントの中にあるお店に戻ると
女将さんにそのことを話した。相談するために。
 しかし女将さんは、それを聞いてもあらあらと
嬉しそうに笑っているだけだった。
 笑い事ではないのだけどなぁ……。

「女将さん……どうしましよう」

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